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作業療法士とはどんな仕事か【現役の作業療法士が解説します】

リハビリ 作業療法 学生、新人向け

私の仕事である作業療法士(Occupational Therapist:略称OT)とはどんな仕事なのか紹介していきます。

この記事にたどり着いたということは作業療法士に興味がある作業療法学科の養成校に入ったが、作業療法士の仕事がよくわからない子どもが作業療法士に興味を持ったため調べている最中といった境遇の人ではないでしょうか?

私は現在作業療法士として働いており病院に3年勤務。
その後、訪問看護リハビリステーションで勤務しております。

私が考える作業療法士について紹介していきます。

作業療法士とはどんな仕事か【現役の作業療法士が解説します】

すごく簡単にいうとリハビリをする人です。

患者さんが病気やケガで失ってしまった身体機能社会適応能力を様々な「作業」を通じて再獲得を図っていく手助けをする仕事です。

病気やケガをしてしまう前は特に何も考えずに仕事や料理、お風呂に入るといった日常生活を送っていたと思います。

しかし、例えば脳梗塞による体半分の麻痺、転倒による骨折をしてしまうと上記の動作が行えなくなってしまう、もしくは時間が多くかかってしまうといった問題が生じてしまいます。

これらを改善するために作業療法士身体機能訓練、動作の指導、福祉用具の提案、場合によってはメンタルフォローを提供します。

日本作業療法士協会のホームページです。

こちらも参考にどうぞ。

https://www.jaot.or.jp/

作業とは

上記で「作業」という言葉を挙げたので簡単に紹介します。

「作業」とは日常生活において誰もが日常的に無意識に行っている趣味活動(スポーツや園芸など)や生活動作(食事や入浴など)を指します。

なのでその人の趣味が麻雀であればそれも「作業」となりますし、キャンプでバーベキューをすることが好きな場合、それも「作業」ということになります。

この「作業」という言葉は広いくくりであり、かつ曖昧な表現になってしまうことが多いです。
何をやっても目的があれば「作業」ということになります。

作業療法士の役割

上記で書いたように「作業」とは曖昧になりがちです。患者さんはリハビリは受けたほうが良いもの。と認識しているため受けると思います。

しかし具体的に何ができるようになりたいのか、できるようにならなければならないのか、それがわからないことが多いんです。

そこで作業療法士が患者さんのこれまでの生活、性格を聴取しながらリハビリを進めていきます。
身体機能を評価しながらこれまでの生活リズム、その人の自宅での役割を考慮したうえでリハビリを提供します。

退院した後に病前に近い生活が行えるように必要な作業を考え、その作業に必要な身体機能訓練、道具の提案、体の使い方の指導をします。

例えば麻雀をする場合

  • 雀荘まで歩ける
  • 階段を登れる
  • 長時間座れる
  • 手で牌を並べられる
  • 麻雀をする環境によっては最低限この動作が必要になります。

    作業療法士はその人によって必要な作業」を想像、聴取する。その「作業」を分析して必要な動作を考える動作獲得のために運動、道具の提案をする役割があります。

    おわりに

    作業療法士が行うリハビリは無限大です。その人が必要と感じる「作業」、できなければならない「作業」の獲得のためにリハビリを行います。

    決まり切った内容の仕事ではないため、日々試行錯誤が必要な職業です。

    大変な面もありますが、様々な人生観に触れることができるのでぼく自身も毎日勉強になっています。

    様々な人の人生に関われる仕事なので、作業療法士はやりがいのある仕事です。