リハビリ中の雑談はしたほうが良いのか【作業療法士の僕が考えてみた】
こんにちは。sakanaです。
作業療法士の僕が日々の何気ない疑問について定期的に配信してます。
書いて欲しいテーマがありましたら連絡ください。
今回は「リハビリ中の雑談はしたほうが良いのか」このテーマを考えてみます。

相手に合わせて雑談したほうが良い
なんでもいいから雑談したほうが良いというわけではなく、時と場合、相手によって雑談するか、しないか、何を話すのかを考えてできると良いかなと考えてます。
そもそもなんのために雑談するのか
いくつか目的を挙げてみます
・単純に仲良くなるため
・趣味嗜好を知り訓練内容を決めるため
・自宅での生活スタイルを聞き、リハビリ目標を決めるため
・体調、疼痛の程度を探るため
雑談をしながらこんな感じの情報を探ることができれば、スムーズに治療を進められますね。
初めは雑談は難しい
とはいえ特に新人さんや経験の浅い人は何を話したらいいのかわからない人もいるのでは?
僕も新人の時はぎこちない雑談が多かったです。
患者さんの身体を動かしながら、目的のある雑談をする。こう考えるとなかなかの高等テクニックです。
どんな感じに話せば良いか
具体例を挙げてみます。
僕「最近は良い天気が多いですね」
患者さん「そうですね」
僕「こんな日は外に出かけたくなりますね」
患者さん「そうですね。早く退院したいね」
僕「早く退院してお出かけしたいですよね」
患者さん「はい、友達に早く会いたいです」
僕「近所に友達が住んでいるんですか?」
患者さん「いえ、電車で会いに行ってるんです」
こんな感じの内容から目標の候補が挙がります
・1人で駅まで歩いて行ける
・1人で電車に乗れる
・長時間座って会話ができる
何気ない会話から目標を考えていくこともあります。
余裕ができれば自然とできるようになることもある
しかしながら、いきなり目的のある雑談は難しいですよね。実際僕は3年はかかったと思います。
自分のリハビリに少し自信がついてくれば心に余裕が生まれます。
余裕ができれば雑談に意識を向けられるようになってきます。
焦らず、たまに目的のある雑談を心がけてみましょう。
ワンポイントアドバイス
何か話すといってもネタがないと困ることがありますよね?僕は新人のころよく困ってました。
これの改善策としての僕の結論はこんな感じです。
①いろんなジャンルの本を読む
②休みの日に新しい体験をする
本といっても漫画でも構いません。しかしこれまで触れてこなかったジャンルを読むことで知識が増えることがあります。
最近だと「推しの子」を読むことで映像作品を作る裏側やそれぞれのキャストの役割を浅く学ぶことができました。
休みの日の新しい体験というのも、行ったことないレストランに行くとか友達と遊ぶくらいでいいです。久しぶりに友達と会うだけでも新しい発見があります。
話すのが好きじゃない人もいる
雑談について書いてきましたが、時には「話さない」ということも意識しましょう。たまにいるのですが、「雑談なんかしたくない」「黙って集中してリハビリを提供しろ」こう考えている人もいます。
雑談が好きな人でも話すのに疲れた、なんとなく黙りたいこんな時もありますよね。
自分が散髪されている時の気持ちに近いかもしれないです。
基本的には傾聴、共感を心がける
雑談するというと、こちらが話さなければいけないと感じるかもしれません。
しかし、できれば相手が話す機会を増やし、自分は共感する。これができるのがベストです。
人間は基本的には自分の話を聴いてほしい生き物です。
相手の話に共感し、時には相手が話しやすい話題を振り、目的のある情報を引き出す。
こんな感じの雑談ができると良いと考えてます。